スピーカー開発秘話(その6)

この結果出来上がったのが、従来のドライヴァー四個を一組とする新たなドライヴァーであった。ここでは、ドライヴァー同士をまず一枚のバッフル板にできる限り隣接してマウントし、両者の裏側をパイプで結合する。そのうえで同一のもう一組を作って、それらのマグネットの尻同士を密着して固定する。このようにして出来上がったドライヴァーを合わせの強化ガラスに片側4組入れたものが以下の写真である。

 一本の長い振動板 並列ではなくて直列に並んでいる。 板を押すかひもを引っ張るか。

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このスピーカーは後面開放型であるために、ドライヴァーいかなるストレスもかからず、自然な音場を作っていた。このシステムは、ガラスで仕切られた逆相の音、さらに後面からもバイポーラールに音が発されるために、クワドロ・ポーラールとなり、広い音場を作るという特徴があったが、また欠点もあった。音圧を確保するために、縦に四個、全体で16個のドライヴァーを持つために、音源が多くなり、その結果、音像があいまいになるのみならず、合わせガラスとはいえ、ガラスバッフルの固有音がかすかに聞こえる難点があった。